2012年2月5日 ロンドン五輪アジア最終予選 シリア対日本@アンマン

日本らしさが出ない一戦だった。シリアの怖さを考えるあまり、自分たちの武器を失った。後半30分以降はMF扇原の投入で、そこからリズムができ、ゲームを支配し始めた。だが、その時間は短かった。そういう戦い方をしようと思えばできるだけに、残念な一戦だった。

扇原はボランチの位置から効果的に縦へボールを入れることができる。セットプレーでもピンポイントのボールを蹴れる。11月のシリア戦でもDF浜田のゴールをアシストしたように正確無比な左足は相手の脅威だ。シリアの怖さを考えて、山村と山口のダブルボランチというチョイスだったと思う。だが、そのために武器を失ってしまった感じがする。

この年代はU―20などで世界大会に出場していない。逆にシリアは07年に韓国で行われたU―20W杯に出場し、経験を積んでいる。そういう自信がギリギリのところで出た。足を削ってでも戦うようなメンタルや姿勢が必要になってくる。日本は自分たちの手で足りないものを奪い返すしかない。

残り2戦。とにかく日本の良さを前面に押し出していくことだ。それが世界に通ずる道でもある。この苦しさを乗り越えていかなければいけない。

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