2012年3月10日 J1 仙台対鹿島@ユアスタ

仙台はたくましくなった。試合前、スタンドに「絆」という人文字が作られた。チームは震災以降、期待しているサポーターをがっかりさせないという誇りを持って戦ってきた。その強い気持ちが球際の厳しさ、粘り、ハードな守備につながって、昨季4位という結果を出した。東日本大震災をへて、つらい1年間を過ごすことで、ハートとプレーが一致して選手に根付いてきた感じがする。

今季から意識して高い位置からプレスをかけている。鹿島の前線の選手がアクションを起こして、揺さぶってくるシーンが少なかった影響もあるが、出しどころをなくした選手にいいタイミングでプレッシャーをかけることができていた。そのため、ダイヤモンドに陣取ったMF小笠原、本山らは後ろにパスを下げざるを得ないシーンが目立った。攻撃のテンポを作らせない効果的な守備が勝利の要因だ。

一年間を通じて選手1人ひとりもチームもたくましくなってきた。この日の試合からは迫力が伝わってきた。粘り強い守備が仙台のベースになってきたと言っていい。

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