マスメディアと若い選手
2003年3月27日
2003年3月27日
ワールドカップを経験できる選手は23名の登録メンバー。更にピッチで経験できる選手はその中の75~90%程度でしょう。一方で、4年に一回の開催であ るワールドカップで、10年以上にわたり代表メンバーに入っている選手もいます。サッカー人生の中で、ワールドカップのピッチに立つこと、そして勝利を手 にすることは誰にでもできることではないのです。私は指導者として、多くの選手に夢の舞台での経験を積み上げてほしいと願っています。サッカープレーヤー としてだけでなく、人生において価値ある財産になるから・・・。
大きな大会の前になると、報道の過熱により本人の意思とは関係なく評価・注目を浴びます。大げさな取り上げられ方をされたり、スター扱いされてしまいま す。特に、若い選手が実力以上の評価をされてプレーに集中できなかったり、勘違いをして努力を怠るようなことが起こると成長は止まってしまうものです。こ れから伸びるチャンス、タイミングであるのに残念な話です。若い選手を育てるためには、このようにピッチ内だけではなく、ピッチの外や社会の中でも厳しい 基準で育てていく必要があります。
マスメディアの方には、世界基準を物差しにして選手の評価をしていただき、将来のために愛情と厳しさを持って接していただきたいと思います。チームだけ ではなく、サッカーを取り巻く環境全体が世界基準に近づくことができなければ、ワールドカップで更に上を目指すことは困難になってしまうでしょう。
正しいプレーの評価基準を持たずに、選手を過大評価しスターを作り上げてしまうことは、将来的にサッカー界全体の大きな損失です。是非、プレーの質を評 価の対象に、どしどし記事を書いてほしいと思います。