85%のゴールは、2タッチ以内のシュートから
2003年5月7日
2003年5月7日
ワールドカップにおいて、流れの中で得点された109点の内、75点が1タッチ、18点が2タッチから生まれています。このデータから、約85%のゴール は2タッチ以内であることがわかります。シュートレンジでのスペース・時間といったものが、如何に減少しているかがうかがえます。
ゴールを奪うためには、常に相手ゴール方向に対していい視野、体の向きをつくる、スペースを有効に使うためのオフ・ザ・ボールの動き出しが大切になりま す。ゴールの位置、ゴールキーパー、相手ディフェンダー、有効なスペースといった情報を瞬時に把握することが、ゴールを奪うためのシュート精度を上げるた めに必要な条件です。
ワールドカップ第一戦、ベルギーから奪った鈴木選手の1点目ゴールは1タッチ、稲本選手の2点目ゴールも2タッチしかしていません。稲本選手の2点目 ゴールは、ボールを長い距離運びましたが、ボールには2回しかタッチしていません。タッチ数が少ないと、ヘッドダウンが少なく視野が広くなりいい判断につ ながります。
少年時代、中盤から何人も抜いてゴールを奪える選手をいいストライカーだと育成しても、ワールドクラスでは息詰まることになるでしょう。スピードあるパ スをワンタッチでシュートしたり、スピードに乗った状況でも自分のスピードを落とさずに確実にトラッピングをする才能を育てていくことが、ワールドカップ で活躍できる選手の育成と言えるでしょう。
ワールドカップなど世界最高水準のプレーから逆算して、どのような才能が生きるのか、どのような才能を生かすことができるのか。指導者のタレント発掘の目も大切です。