サッカーのタレント発掘

選手のパフォーマンスは、適切なトレーニングによって向上し、ある年齢を過ぎると低下します。
早熟型、晩成型などの成長は一様ではありませんが、低年齢であればあるほど、一流選手としてのサッカータレントの可能性は高くなります。
私はタレント発掘の時に、その時点でのパフォーマンスだけでなく、素質に注目します。

(1)基礎運動能力
(2)感覚・技術・センス
(3)人間性・性格

成長過程のどの段階にあるのかを、発育状態と対比しながらデータ化できる部分と、経験から得た指導者のイメージに属するものを生かして、分析し、評価していくことが重要です。
サッカーでは、U-12(12歳以下)、U-14、U-17のナショナルトレセンを実施していますが、その段階で、パフォーマンスの高い選手を集めることではなく、パフォーマンスの背後の素質をよく見極めて集め、世界基準の可能性を評価する必要があると思います。
現在、実施している各世代のナショナルトレセンの選手がどれくらいトップレベル(代表チーム)に到達できるのか、その結果を分析・判断し、方向性を決定していくことも大切であるでしょう。

私は優秀な選手を見続けてきましたが、(3)の人間性・性格では負けず嫌い、人の話を聞ける、などの点は共通して持っていました。負けるのが嫌だから、熱 心に研究する。少しでもいいコンディションを保つために自己管理もしっかりするし、食事も、栄養のバランスやタイミングもしっかり研究するなど、いくつか の特徴があります。

発育・発達の各段階において、「変えやすい資質」と「変えにくい資質」が変化するため、それぞれの年代ごとに着眼点が異なるのは当然です。

指導者は、タレント発掘と成長に応じたトレーニングを正しく行うことでいい選手を育てて、いいチームづくりが可能になるでしょう。

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