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南米予選
南米に行ってきました。(9/1~9/8)
9/1からサンチアゴでチリとフランスの試合を視察して、コロコロ(チリ)のトレーニングを見たり、協会の副会長に食事を招待していただいたり、とても中 身の濃い2日間で大いに楽しみました。ちなみにフランスはトップにトレゼゲ、中盤にビルトール、ジダン、ピレス、ビエラ、プティー。ディフェンスライン は、テュラム、デザイー、シルベストル、リザラスと、ビッグなチームでしたが、チリに1-2という結果でした。チリのサモラノの1点目のプレーでリズムを 失い、0-2から1点返すのが精一杯という内容でした。ただ、プレーの一つ一つを見れば、フランスが力があるのは間違いない事実ですが。
9/4にはアルゼンチンのブエノスアイレスへ移動して9/5のアルゼンチンvsブラジルのワールドカップ予選を視察。また、当然毎日ボカジュニアーズ(ア ルゼンチン)のトレーニングも見に行きました。高原も元気にトレーニングしていましたよ。とにかく、リバープレートのスタジアムに6万人を集めての一戦。 この雰囲気を味わうことができて、本当に良かったと思います。
2002年に向けて意味のある視察になりました。
とにかく前進していきたいと思います。
※PHOTOページにて、南米予選の様子を撮った画像をご覧いただけます。
休養も食事もプロの大切な仕事
プロ選手にとってトレーニングはもちろん仕事です。
しかし、トレーニングだけやっていればそれだけで良い選手、レベルの高い選手になれるものではありません。トレーニングと休養と栄養のサイクルとタイミン グが体作りに大きく影響を与えます。トレーニング後、負担のかかった体に成長ホルモンが分泌されます。タイミング(トレーニング終了後、1時間ぐらいま で)で栄養をバランス良くとることで、効率良く体を作っていきます。また、しっかりとした休養をとることも大切。ノンレム睡眠中に成長ホルモンが出てくる ので、このタイミングをうまく利用して体作りに繋げていくことも大切な要素です。すなわち、選手にとっては休養も、食事も大事な仕事なのです。
また、ストレスをうまく解消していくことも必要です。トレーニング以外の22時間をどう過ごすかが一流選手になるためには重要なのです。
実際にプロの選手たちの中では、栄養士と契約して、メニューを作ってもらったり、チームで栄養士を招いて講習会を定期的に開いたり、既婚者には奥さん向けのレクチャーを開催したり、意識はかなり高い。
20年後、50年後、世界と対等に戦うために、成長過程に適した一貫指導をこれらのバランスを考えながら実施していくことが必要です。そして技術、戦術だけでなく体格、体力でも世界のレベルを達成し、常にワールドカップ(トロフィー)を狙える国でありたいと思います。
夢を抱いた2001年
この夏は、少年大会の決勝(東京スタジアム)、インターハイ決勝(熊本)、SBSカップ 国際ユース大会など数多くの試合を視察して、たくさんのタレントが育っていることに頼もしく、そして近い将来の日本代表に大きな夢を持つことができまし た。少年大会では、たくさんのスーパープレーを見て驚き、技術の高さには本当に感心しました。
この12歳の子供たちが6~7年後には世界を相手に戦うことになります。そういう夢をいつまでも持たせることが指導者の仕事だと思います。
ゴールの大きさは?
Jリーグの得点ランキングを見れば、上位は外国人選手ばかり。何かが違うことは間違いありません。
ゴールの幅は7m32cm、高さは2m44cm、これ自体は何も変わりません。しかし、試合でゴールキーパーがゴールに立つと、どうも日本人は隅の1mだ けがゴールだと思っているのではないでしょうか。実際、トレーニングでGKもいないゴールにコーンを立ててシュート練習したりしています。
GKが倒れていたり、タイミングがはずれて反応できない状態であれば、ゴールは7mになります。シュートの際、GKのタイミングをはずす事や、守備エリア を少なくすることが、大切なテクニックです。シュート前のボールコントロールの方向に角度をつければGKはポジションを修正せざるを得ません。そこに逆を つくチャンスが生まれます。
サッカーは、相手との駆け引きの勝負。どうやって相手の反対、裏をつくかが大事なテクニック。GKをバカにするぐらい楽しみながらシュートをうってほしい。がんばれ!! 日本のストライカー。
水
暑い日の試合はパフォーマンスがどうしても低下します。体の冷却作業がうまくいかず、熱が体内にこもり、筋肉の収縮がレベルダウンするからです。ひどくな ると痙攣をおこします。また、頭の中も熱がこもり温度が上昇していくと、風邪で熱が出たときの様にボーっとして判断が鈍くなります。夏の大会では、このよ うにならないために、特に水分の取り方が大切です。
まず、水分の大半は小腸で吸収されます。1時間で体内に取りこめる量には限りがあるので、試合前からこまめに水分を取ることで体の細胞を水で満タンにして おきます。例えば、バスの移動等でも汗をかきますから、水を用意しておくのが良いと思います。(乗車時に1人1ボトル手渡すなど)
水の温度は5~10°Cくらいが体に良いと言われていますが、シーズンの初めには少しずつ慣らしていくことが必要です。
試合の時には、飲むことで体の中からと、かける事で直接筋肉や血管を冷やす効果も期待できます。
ボトルなどは全部を凍らせて試合前に溶かして使うと氷が残り便利です。
レギュラーとは
8月15日、エコパスタジアムでのオーストラリア戦、応援ありがとうございました。
地元ということもあり、横断幕までだしていただき、感激しました。スタジアムまで運んでいただいたサポーターの皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。また、暑い中がんばった選手はもちろん、会場の準備に苦労された方々にもお礼を申し上げたいと思います。
国内の選手だけで結果を出したことで、ますます競争は厳しくなりいますが、多くの選手が成長していることをアピールしてくれて、たのもしく感じています。
ワールドカップの試合でもだれが「レギュラー」という事はなく、11人がゲームをスタートさせる選手で、違う11人がゲームを終了するときにピッチに立っ ていると思います。そういう意味でスターティングメンバーの11人はありますが、レギュラーというポジションを保証されたような言葉は存在しない。あると すれば、1試合、1試合の積み上げの結果として大会が終了したときに全試合に出場した選手がレギュラーだったという事だと思います。
ワールドカップ インサイドストーリー
最近、読んだ本の中でおもしろいものを見つけました。
ワールドカップの歴史とその裏側に目を向けた本で、「逆説のワールドカップ インサイドストーリー」という本ですが、実力のあるチームが必ずしも優勝できない事実や、(本当の話かどうかは別として)抽選会での冷たいボールの話、歴代得点王のことなど…。
過去の歴史で私達も知らなかった古い話から98年フランス、ロナウドの決勝戦前の事実まで次のワールドカップの行方を予想するカギが語られている本です。
さまざまな国のサッカーの歴史を理解した上での応援はより一層の熱が入ると思います。そして世界のサッカーの歴史に残るような大会になるよう、努力していきたいと思います。サポーターの皆さんと共に…。
トラッピングは自分自身へのパスである
サッカーは味方から味方へボールをつなぐパスのゲームです。どんなにボールをキープしていても必ず誰かにパスをして1つのプレーが完了する。シュートも ゴールという味方への最終的なパスです。そういう意味でボールをどう動かしていくのか、ひとつひとつのプレーに目的があります。
トラッピングも次のプレーにつなげるためには右足で蹴るのか、左足で蹴るのか、インサイドかアウトサイドか、ボールを意図的に浮かせてヘディングするのか、次のプレーへ移るときに最もいいポジションにボールを運ぶという…大切なのは「自分自身へのパス」です。
ドリブルのワンタッチ、ワンタッチにも同じ事が言えるでしょう。ストイコビッチのようにスペースがある時は大きなタッチでボールを運び、タッチの数の割にスペースの移動距離は長い。その為にヘッドアップができ、まわりをよく見れるので、状況判断がよくなります。
このようなひとつひとつのプレーを大切にすることが、いいプレーヤーになる為には重要なのです。
子供はまねの天才
神経の発達は9~10歳で大人の90%以上達成されています。
すなわち、大人の”動きのまね”はできます。しかし、速く、強くなど体力的な事を追求していくと、無理があります。
まず、正確な技術を数多くの種類で身につけさせることが重要です。一度身についた技術は神経回路ができあがり、自転車に乗れるようになったら何歳になっても乗れるように、15歳、20歳、25歳、40歳になっても衰えないということです。
特に10~12歳を「ゴールデンエイジ」と呼んで、もっとも技術を身につけられる時期だと言われています。神経の発達はある程度できあがり、体のバランスもよい時期であるためです。
子供にはさまざまな技術を見せてあげられるコーチがよりむいていると思います。
是非、子供には何歳になっても使えるたくさんの技術や身のこなしを身につけさせてあげたいものです。グランドを何周も走るようなウォーミングアップは、子供にはあまり必要ないと言えるでしょう。